いろいろみてきた


ヤンニレグニルス
オランダ人の若手女性作家。自然の中で一人遊びをする自らを被写体とした写真。空に飛行機雲で絵を書いてるふりとか。色味などに少し細工がしてあることがあり、寓話っぽい不気味さを感じさせる、のもある。身の回りのささやかなものを凝視する感覚が今っぽい。きれいな写真だから、きっと受けはいいんだろうな。最近はシンディーシャーマンみたいな作家っていないなーって友人と話す。多分僕らの世代だからだと思う。このほくそ笑む感じは共感できる。空想遊びって女性特有のものかしら、たぶんそうじゃないだろうと思うけれども、被写体がおっさんだったら成り立たんなとも思う。ので、女の子っていいなと少し思う。このギャラリー(http://www.nca-g.com/)の半地下の路地?みたいなところがあやしくてとても良かった。
http://www.ima.fa.geidai.ac.jp/trdproj/TAP2000-J/trap/regnerus.html


内藤礼
ギャラリー小柳にて。来たことはあった筈だが、迷う、かつ8階になってた。これも、じっくりと対象に向かうことで何かが見えてくる作品(昔から一貫しているテーマだ)。一見すると何も描かれていないのだが、じっとみていると、とても薄い色で描かれた模様が見えてくる。特に天井からぶら下がった紙を通して向こうの景色を見る(もしくは紙自体も見るものだったか?)作品はとても良かった。ただ、うす紙にとても小さくて弱い字で「なににもならなくていいんだよ」って書いてあるのは、「おいでおいで」しているようで、何か気持ち悪いし、意図がよく分からなかった。なんとなく世界が閉じていると思うのだが、全体的な作品の色味がいいし、日常とは違う認識の仕方をしたり考えたりする契機を与えてくれるので、やはり好きな作家だと思う。


カールステンヘラー
シューゴアーツ(http://www.shugoarts.com/jp/)にて。銀座から歩く。来たことはあった筈だが、迷う。途中でミニストップでソフトクリームを食べる。蛍光灯がピカピカしたインスタレーションと、2台のモニタの女性がお互いに「私が言うのはいつもあなたと同じこと」とか「私が言うのはいつもあなたと反対のこと」とか掛け合う作品。うーん。それよりも、鈴木理策の写真集が置いてあって、そっちのほうをずっと見ていた。あとLUISA LAMBRIという人の写真もあって、よく知らなかったのだが、主に建築物(妹島和世のばかり)の縁とか撮っていて、とても良かった。